親の認知症が進んできて、「そろそろ施設を考えなきゃ」と思ったときに、最初にぶつかる壁が「グループホームと特養の違いってなに?」という疑問です。
結論から言うと、グループホームは“認知症特化型”、特養は“重度要介護向け”というのが大きな違いです。
私自身、介護が必要になった親の施設探しでこの2つを比較したとき、入居条件や費用だけじゃなく、生活のしやすさや家族の負担感も全然違うことに気づかされました。
このページでは、それぞれの施設の違いを図表や実例を交えてわかりやすく解説しながら、「親にはどちらが合うのか?」を一緒に整理していきます。
施設選びで迷っているなら、今の親の状態を基準に選ぶのが第一歩です。続きで詳しく解説していきますね。
- グループホームは認知症のある方が対象。少人数で家庭的な生活ができるが、費用はやや高め。
- 特養(特別養護老人ホーム)は要介護3以上の方が対象。費用は抑えやすいが、入所待機が長くなりがち。
➡ 「認知症+要介護度が軽い方」にはグループホーム、「重度介護が必要で費用を抑えたい方」には特養が向いています。
グループホームと特養の違いを比較【早見表付き】
「グループホームと特養って、どう違うの?」と疑問に思う方は多いでしょう。
特に親の介護が必要になってくると、どちらがより合っているのかで悩む人は少なくありません。
まずはこの2つの施設の特徴を目的・対象者・ケア内容・費用の面から早見表で比較し、全体像をつかみましょう。

- グループホーム:認知症のある要介護高齢者が対象。少人数で家庭的な生活が特徴。費用はやや高め。
- 特養(特別養護老人ホーム):要介護3以上の人が対象。公的施設で費用が抑えられ、ただし入居待機が多い。
- どちらも介護施設だけど、対象者・生活環境・費用・入りやすさが全然違う!
結論から言うと、グループホームは「認知症のある高齢者向けの共同生活施設」、特養(特別養護老人ホーム)は「要介護度が高く、在宅が困難な人向けの公的施設」です。
施設の目的も対象も違い、入所の条件や日常のサポート体制も大きく異なります。
例えば、グループホームは「認知症の方が少人数で家庭的な生活を送る」ことを目的にしており、スタッフと入居者の距離が近いのが特徴。
要介護1以上で認知症の診断が必要です。
一方の特養は、介護保険施設の中でも「重度介護者の生活支援」を担う存在で、原則として要介護3以上でないと入所できません。
>>「特養と老健の違い|費用と目的の違いを解説」をご覧ください。
また、入居待機者が多いのも実情です。
以下の表で、両者の基本的な違いを整理しておきましょう。
比較項目 | グループホーム | 特別養護老人ホーム(特養) |
---|---|---|
対象者 | 要介護1以上かつ認知症の診断がある人 | 要介護3以上(原則) |
定員 | 少人数(5〜9人/ユニット) | 中〜大規模(定員30〜100人超も) |
生活環境 | 家庭的で自由度が高い | 集団生活でルールや管理が多い |
介護の特徴 | 認知症ケアに特化 | 日常生活全般をサポート |
医療体制 | 常駐医師は基本なし、外部訪問が中心 | 看護師常駐、医師との連携あり |
費用目安(月額) | 約12〜18万円(実費込み) | 約8〜15万円(収入により軽減あり) |
空き状況 | 地域によって空きあり | 待機者多数、数ヶ月〜年単位も |
どちらが向いてる?親の状態別判断ポイント
親に合った施設を選ぶためには、「どちらが向いているのか?」を具体的に見極めることが重要です。
グループホームと特養では、受け入れ対象やサポート体制が大きく異なります。
ここでは、親の要介護度・認知症の有無・日常生活の様子をもとに、どちらが適しているかの判断ポイントを解説します。
- 認知症の診断があり、まだ身体は元気 → グループホームが向いています
- 介護度が3以上で身体介助が必要な状態 → 特養の方が適しています
- 認知症+要介護3以上 → 空き状況や希望条件で両方検討を
- 「身体の状態」+「認知症の有無」が判断の軸になります!
結論から言えば、親が「認知症あり+比較的元気」ならグループホーム、「介護度3以上で身体介助が必要」なら特養が向いています。
というのも、グループホームは認知症の診断がある方しか入れず、しかも「家庭的な共同生活」をベースにした支援スタイル。
一方の特養は、要介護3以上であることが前提で、日常的に重度の介護が必要な方の生活支援に特化した施設だからです。
実際、地域包括支援センターの担当者と話をしたときにも、「親御さんの認知症の進行状況と身体状況を一緒に見て、合う施設を探していくのが大事です」と言われたのを覚えています。
このように、認知症の有無だけでなく、身体的な介護の必要度を加味することが大切です。
次の項目では、具体的な状態別の目安を一覧にしてご紹介します。
親の状態別:おすすめ施設タイプ早見チャート
親の状態 | 向いている施設 |
---|---|
要介護1~2/認知症あり/身の回りのことは可能 | グループホーム |
要介護3以上/認知症なし/身体介助が必要 | 特養 |
要介護3以上/認知症あり | グループホーム or 特養の両方が選択肢になる(希望・空き状況で選ぶ) |
認知症なし/要介護1~2 | サ高住や老健も選択肢 |
このように「状態×診断×介護度」でマッチする施設を把握することで、ご家族にとって無理のない環境を選びやすくなります。
「介護施設 種類 一覧|どれが親に合う?違いと選び方をやさしく解説」もあわせてどうぞ。
「サ高住と有料老人ホームの違い」の記事でさらに詳しく比較できます。
入居のしやすさに違いはある?待機状況と申し込みの流れ
グループホームと特養を比較するうえで、見落とされがちなのが「入居のしやすさ」。
どちらの施設も条件を満たせば入所できますが、空き状況や申込みの仕組みに大きな違いがあります。
せっかく候補が決まっても「数年待ち」と言われたら、家族としては困ってしまいますよね。
ここでは、待機の有無や申し込み方法の違いを解説します。
- 特養は公的施設のため人気が高く、数ヶ月〜数年の待機が発生することもある
- グループホームは施設数が多く、地域によっては比較的入りやすい
- 申し込みはそれぞれ異なり、窓口や必要書類も違う
- 「条件に合っていても、空きがないと入れない」現実に要注意!
結論から言えば、特養は待機が発生しやすく、グループホームのほうが比較的早く入れる傾向があります。
なぜなら、特養(特別養護老人ホーム)は自治体が関与する公的施設で、入居希望者が非常に多いのに対し、グループホームは民間運営も多く、施設ごとに空き状況に差があるためです。
実際、特養に申し込んだある知人のケースでは、「待機人数が100人以上」「半年〜1年かかる」と説明を受けたそうです。
一方で、グループホームの場合は「来月なら空きがあります」と案内された例もあります。
もちろん、地域差や施設の人気度にもよりますが、「待たずに入れるかどうか」は重要な判断材料になります。
また、申し込み方法にも違いがあります。
特養は市区町村の窓口(高齢福祉課など)経由での申請が基本で、ケアマネジャーの意見書なども必要です。
一方、グループホームは各施設へ直接申し込みを行うケースが多く、対応も柔軟です。
比較まとめ
比較項目 | グループホーム | 特別養護老人ホーム(特養) |
---|---|---|
入居難易度 | 比較的入りやすい(空きがあればすぐ) | 待機者多数、順番待ちが発生しやすい |
待機期間 | 数週間〜数ヶ月が目安 | 数ヶ月〜1年以上になることもある |
申し込み方法 | 各施設に直接申込み | 市区町村の窓口を通じて申込み |
必要書類 | 施設ごとに異なる(診断書・申込書など) | 要介護認定情報・意見書など |
施設探しは「条件に合う」だけでなく、「空いているかどうか」が現実的な判断軸になります。候補は1つに絞らず、複数を並行して探すのがおすすめです。
費用の違いは?月額・初期費用・実費を比較
施設選びで多くの方が気になるのが「費用面」。グループホームと特養では、月額料金はもちろん、初期費用や実費負担にも差があります。
「なんとなく特養のほうが安い」と思われがちですが、実際にかかるお金は入居者の状況や助成制度によっても変わるため、きちんと把握しておくことが大切です。
ここでは、両者の費用面の違いを比較してご紹介します。
- 月額費用の目安:特養は約8〜15万円、グループホームは約12〜18万円
- 初期費用:特養は原則なし、グループホームは入居一時金があることも
- 実費負担(食費・おむつ代など)はどちらも発生、ただし助成制度あり
- 「公的施設=安い」「民間=高い」は一部正解。でも、条件や助成次第で大きく変わる!
結論から言えば、費用を抑えたいなら特養、家庭的な環境や柔軟なサービスを望むならグループホームが選ばれやすい傾向があります。
というのも、特養は公的施設であり、低所得者向けの軽減制度が充実しているため、月額費用を10万円未満に抑えられるケースもあります。
一方、グループホームは民間運営が多く、月額費用は12〜18万円程度とやや高め。さらに入居一時金(5〜30万円程度)が必要な施設もあります。
ただし、どちらの施設でも介護保険の自己負担分とは別に、食費・光熱費・おむつ代・レクリエーション費などの実費負担が発生します。
また、所得や資産状況によって「高額介護サービス費制度」や「補足給付」が適用されることもあり、同じ施設でも人によって支払額が大きく異なる点には注意が必要です。
比較まとめ
費用項目 | グループホーム | 特別養護老人ホーム(特養) |
---|---|---|
月額費用の目安 | 約12〜18万円(実費込み) | 約8〜15万円(軽減制度利用でさらに安く) |
初期費用 | 入居一時金あり(施設により5〜30万円) | 原則なし(敷金等は必要な場合あり) |
実費負担(食費等) | 必要(施設によって費目・金額が異なる) | 必要(特養もおむつ代・日用品等は自己負担) |
費用軽減制度 | 高額介護サービス費制度など | 同左+補足給付(低所得者向け) |
グラフで比較すると、費用の差が一目でわかります。
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グラフを見ると、グループホームは月額も初期費用もやや高めですが、生活環境やケア体制とのバランスで選ばれることも多いです。
特養は費用を抑えられるぶん、待機や介護度の条件をクリアする必要がある点に注意が必要です。
「思ったより高くなるのはどこ?」と心配な方は、ケアマネジャーを通じて事前に見積もりを取ることがおすすめです。
助成制度の対象になるかどうかも確認しておくと安心です。
家族がグループホームを選んだ理由|リアルな体験談
数字や制度の違いを知っても、いざ選ぶ段階になると「本当にこれでよかったのかな…」と不安になる方は少なくありません。
そんなときに役立つのが、実際に施設を選んだご家族の声です。
ここでは「なぜグループホームを選んだのか?」という実際によくある判断理由をご紹介します。
自分のケースと照らし合わせながら、選択のヒントにしてみてください。
- 認知症の症状が出始めて、自宅での生活が難しくなってきた
- 少人数制でスタッフとの距離が近い環境を望んだ
- 特養は待機が長く、グループホームの方が早く入居できた
費用だけで決めなかった家族が、何を重視したのかに注目です。
結論から言えば、グループホームを選ぶ理由の多くは「安心して任せられる環境」と「入居までのスピード」にあります。
というのも、認知症の症状が少しずつ進行していく中で、「自宅での介護が限界」「家族だけでは対応しきれない」という声はとても多いんです。
それでも、「病院のような場所には入れたくない」「できるだけ家庭的な雰囲気で過ごしてほしい」と願うご家族は多いはず。
ある方のケースでは、要介護2で認知症の初期段階だったお母さまに対して、「少人数でゆったり暮らせるグループホームを見学したら、本人もすぐに『ここがいい』と言ってくれた」そうです。

さらに、特養は半年〜1年待ちと言われたのに対し、グループホームは「来月には空きが出る」と案内されたことも、決め手の一つになったとのこと。
費用面では特養よりやや高めではあるものの、「家族も本人も無理をしない暮らし」という視点で考えると、グループホームは非常に現実的な選択肢になり得ます。
実際に選ぶときは「本人がどこで安心できるか」「家族がどこまで支えられるか」を軸にすること。
数字では測れない“生活感”が、最終的な決め手になることも多いです。
まとめ|グループホームと特養、どちらがご家族に合う?
結局のところ、どちらが“正解”というより、「どちらがご家族に合っているか」で選ぶことが大切です。
というのも、グループホームと特養は、それぞれ対象者も目的も違う施設。
認知症のケアを優先するならグループホーム、介護度が高くて在宅が厳しいなら特養と、選ぶべき方向は自然と見えてきます。
加えて、「いつから入れるか?」「費用はどの程度かかるか?」「家からの距離や面会しやすさ」など、現実的な条件も見逃せません。
もし今「どこに相談したらいいかわからない」と感じているなら、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するところから始めるのが安心です。
- 親の要介護度と認知症の有無を確認する
- 特養とグループホームの「空き状況」を地域で調べる
- 気になる施設があれば見学予約 or 資料請求
- ケアマネジャーや地域包括に相談してアドバイスをもらう
「サ高住と有料老人ホームの違い」も確認しておくと安心です。
施設探しは「急ぐ」「迷う」「不安」など気持ちが重なるもの。だからこそ、一人で抱え込まず、使える制度とプロの助けをうまく使うのがコツです。
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