認知症の親が「老人ホームに入れるのかどうか」って、本当に不安になりますよね。でも、認知症だからといって、入居を断られるとは限りません。
今の高齢者施設には「認知症を前提とした介護体制」を整えているところが増えていて、要介護度や症状に合わせて選べば、十分に受け入れてもらえるからです。
実際、うちも母が中度の認知症でしたが、段階を踏んで準備したことでスムーズに入居できました。
「事前に知っていたかどうか」──それだけで、施設選びは大きく変わります。
- 認知症でも入居できる老人ホームは確実に存在する
- 断られるかどうかは「施設の種類」と「本人の症状・介護度」の相性次第
- 見学や面談、診断書などで事前に準備すれば、スムーズな入居につながる
- 失敗を避けるには、選び方・比較方法・確認ポイントの理解が不可欠
認知症だと老人ホームに入れない?よくある誤解とその背景
「うちの親、認知症だけど、老人ホームって断られるんじゃ…?」そんな不安、実はあなただけじゃありません。
この記事を書いている私も、親の施設探しをしていたときに、まさにその壁にぶつかりました。
結論から言えば、「認知症=即NG」ではありません。でも、施設によっては条件や受け入れ基準に差があるのも事実です。
ここでは、なぜ「断られる」と感じる人が多いのか、その背景を一緒に整理してみましょう。
認知症の方でも、要介護度や症状によっては多くの老人ホームで受け入れ可能です。
施設側の事情(医療体制や人員配置)によって断られるケースもありますが、「認知症=NG」では決してありません。
「断られる」と言われる理由は?医療・安全面のリスクと施設の事情

結論から言うと、施設側にも“受け入れられない事情”があるんです。たとえば、
- 医師や看護師が常駐しておらず、緊急時の対応が難しい
- スタッフが少なく、暴言や徘徊などへの対応が十分にできない
こういった事情があると、「うちは対応できません」となることも。
特に“住宅型有料老人ホーム”や“サ高住”などは、医療体制が手薄なケースもあるので注意が必要ですね。
要介護認定と認知症の関係性:施設選定にどう影響するのか
実は、認知症の重さ=入居可否ではありません。大事なのは「要介護度」との組み合わせ。
- 特養:要介護3以上が基本(例外もあり)
- グループホーム:要支援2以上&認知症診断が必須
- 介護付き有料:要介護1以上ならOKの施設が多い
つまり、「認知症だからNG」ではなく、「介護度」と「症状の内容」がセットで判断されるのです。
この辺の制度的な話を押さえておくだけで、見学時の不安はグッと減りますよ。
認知症でも入居できる老人ホームの種類と特徴
「認知症の親をどこに預けたらいいのか分からない…」「施設って“入れる・入れない”以前に、種類が多すぎて混乱する…」──こうした声、本当によく聞きます。
実際、私自身も親の施設探しで真っ先にぶつかったのが「施設の違いがわからない」という壁でした。
結論から言えば、認知症の方でも受け入れてくれる施設はちゃんとあります。
ただし、「何でもOK」ではなく、それぞれの施設には受け入れ条件や特性があります。
この章では、主要な4タイプの施設を取り上げて、「どんな人に向いているか」「どこに注意すべきか」をリアルに解説していきます。
認知症でも入居できる施設は複数あります。特に「グループホーム」「介護付き有料老人ホーム」「特養」は、症状に応じた受け入れ実績が豊富です。
ただし、それぞれの特徴と制約を理解して選ばないと、あとで「思っていたのと違う…」となるリスクもあります。


グループホーム:認知症専用施設のメリット・デメリット
結論から言うと、認知症の方にもっとも寄り添ってくれるのがグループホームです。少人数制で、家庭的な環境の中で暮らせるのが最大の魅力ですね。
ただし、条件として「要支援2以上」かつ「認知症の診断」が必要。
また、入居対象エリアが“住民票のある市区町村”に限られていることが多く、選択肢が狭まる点は注意です。
スタッフとの距離が近い分、信頼関係も築きやすく「うちの親もここなら安心できそう」と感じる人は多いですね。
介護付き有料老人ホーム:医療連携・看取り体制の充実度で選ぶ
医療体制に不安がある方や、「将来的に看取りまで対応してほしい」というご家庭に向いているのが、介護付き有料老人ホームです。
このタイプは、要介護1以上が入居条件で、24時間介護スタッフが常駐していることが多いです。さらに、訪問診療や看護師配置がある施設を選べば、認知症の進行後も安心して暮らせます。
ただし、費用は月額20万円以上が相場で、比較的高額。介護保険が使えるとはいえ、金額面での検討も必要ですね。
特養(特別養護老人ホーム):重度介護にも対応。ただし要介護3以上が原則
費用を抑えつつ、長期的な入居を希望するなら特養(特別養護老人ホーム)が選択肢になります。
認知症の方も多く受け入れており、重度の方でも問題ないケースが大半です。
ただし、原則として要介護3以上が条件。
要介護1や2では原則入居できず、また待機者が多いため、申し込んでも「すぐ入れるわけじゃない」という現実もあります。
地元のケアマネに相談しながら、空き状況や優先度をチェックするのがおすすめです。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅):認知症でも入居可?条件の確認が必須
「バリアフリーで見守り付き」「でもできるだけ自立して過ごしたい」──そんな希望に応えるのがサ高住です。
ただし、ここは介護施設ではなく“高齢者向け住宅”という位置づけ。
要支援〜軽度の認知症ならOKな施設もありますが、徘徊や暴力行動がある場合は断られるケースもあります。
施設によって対応力に差があるため、「認知症の対応経験はありますか?」と必ず事前に確認しておくことが大切です。

認知症でも入居できる施設を見極める5つのチェックポイント
施設のパンフレットや公式サイトを見ると、よく書いてあるんですよね。
「認知症対応可」「終身利用可能」──でも、実際に面談してみると、「すみません、うちでは対応が難しくて…」って、あっさり断られる。
私もそれで何件も振り出しに戻った経験があります。
じゃあ、どうやって「この施設、本当にウチの親を受け入れてくれるのか?」を見極めればいいのか──。それには、確認すべき5つの視点があります。
この章では、見学や問い合わせ時に“必ずチェックすべきポイント”を、体験談ベースで具体的に解説します。

認知症の入居受け入れを判断するには、表面的な「認知症OK」の文字ではなく、医療体制・症状との相性・実績・環境・事前対応の5点を総合的に確認することが重要です。
① 認知症の進行度・症状と施設の受け入れ基準を照合する
結論から言うと、「認知症OK」と書いてあっても、進行度や症状によってNGになることはよくあるんです。
たとえば、同じ認知症でも「軽度の物忘れ」と「昼夜逆転で徘徊あり」では、対応難易度がまったく違う。
なので、見学や面談のときは「どの程度の症状まで対応できますか?」と具体的に聞くことが大事です。
実際、ウチの親は軽度の被害妄想があり、ある施設では「そこまでなら大丈夫ですよ」と即答されたけど、別のところでは「それはうちでは難しいですね」と言われました。
症状×施設の相性、ここが肝です。
② 医療体制(訪問医・看護師常駐など)が整っているか
認知症は進行性の病気です。いまは安定していても、将来的には薬の管理・糖尿病・嚥下障害など、医療が必要になる可能性が高い。
だからこそ、「医療と連携できる施設か?」は超重要ポイント。
おすすめなのは、看護師が日中常駐していて、週1回以上の訪問診療がある施設。
逆に、医療連携が外部頼みの施設は、認知症が進んだときに“転居リスク”が出てきます。
施設長が「認知症の方にはこういう対応をしています」と言ってくれるようなら、だいぶ安心です。
③ 認知症ケアの実績・スタッフの対応経験を確認
施設選びで見落としがちなのが、「スタッフの実績と意識」。
正直なところ、「認知症の知識はあるけど、実際の対応は苦手」ってスタッフさん、けっこういます。
だから、パンフレットや見学だけで判断せず、実際に対応する介護職員の声が聞けるかが重要。
できれば、「これまでどんな認知症の方を受け入れてきましたか?」と質問してみてください。
経験豊富なスタッフがいる施設は、やっぱり落ち着きがあります。
④ 家族が納得できる生活環境か(居室・見守り体制)
「受け入れ可能」であっても、「安心して暮らせるかどうか」は別問題。
個室か相部屋か、トイレは近いか、廊下は明るいか──地味ですが、本人にとってストレスが少ないかどうかはすごく大事です。
さらに、ナースコールが機能しているか・夜間の見守りがどうなっているかも忘れず確認を。
ウチの親は、最初の施設ではトイレが遠くて夜間の転倒が心配で、結局引っ越しました。施設選びで“環境面”を軽視すると、あとで後悔します。
⑤ 入居前に「面談」や「トライアル入居」ができるか
最後に、重要だけど見逃しがちなのが「お試し入居」の有無。
「いきなり入居して合わなかったらどうしよう…」という不安は、誰しもあるもの。
だから、1日体験入居や短期利用(ショートステイ)で雰囲気をつかむのは本当におすすめです。
面談でのやり取りの中でも、「この人たち、ちゃんと親の話を聞いてくれるな」と感じた施設は、やっぱりその後もうまくいきました。
入居までの流れと必要な準備
「この施設にしよう」と決めたはいいものの、その後の流れがわからず、「書類が足りない」「面談の段取りが悪い」「診断書が間に合わない」などで、入居が予定より1〜2か月延びる──そんなケース、実は珍しくありません。
認知症の方の入居には、本人の意思確認や医療面での情報共有など、通常よりも注意すべきポイントが多いんです。
この章では、「見学から入居まで」の一連の流れをわかりやすく整理し、「やっておくべきこと」「準備にかかる時間」「誰と連携すべきか」まで解説します。

認知症の方の老人ホーム入居は、「見学・面談→書類準備→ケアマネとの連携→契約・入居」という流れが基本です。
段取りを先回りしておくことで、スムーズな入居につながります。
見学〜申込〜入居までの基本ステップ
まずは全体の流れを把握しておきましょう。基本的な順番はこうです。
- 施設見学・家族相談
- 面談(本人同席)
- 必要書類の提出
- 入居判定会議
- 契約・入居
結論から言うと、申し込んだからといって即入居できるわけではないのが現実です。
特に認知症の方の場合、「面談での様子」が重視されるため、申し込み後に「やっぱり今回は…」と断られることもあります。
なので、複数施設を同時に見学・準備しておくのが現実的ですね。家族としても心の余裕ができます。
必要書類・診断書・本人意思の確認
施設によって若干異なりますが、以下の書類はほぼ共通で求められます。
- 介護保険被保険者証
- 健康診断書または診療情報提供書(かかりつけ医の作成)
- 本人と家族の同意書
認知症の場合、特に重視されるのが「本人の意思確認」。
たとえ軽度でも、「本人が『嫌だ』と言ったら入居できない」ケースもあるため、事前の家族内での話し合いが本当に大事です。
また、診断書の取得には1〜2週間以上かかることもあるため、早めに医師へ相談を。
ケアマネ・地域包括支援センターとの連携
施設探しから入居まで、ケアマネジャーは最強の味方です。
特に在宅介護中であれば、担当のケアマネが施設との橋渡しをしてくれることも多く、診断書の段取りや本人意思の伝え方など、経験ベースで具体的にアドバイスをもらえます。
もしケアマネがまだいない場合は、「地域包括支援センター」に相談を。
無料で情報提供や支援プランを立ててもらえるので、最初の相談窓口として非常に心強い存在です。
2025年最新|認知症対応施設の空室状況と費用相場
「見学したい施設が全部“満室”だった」「空いてても、月額30万って高すぎる…」
認知症の方を受け入れてくれる施設は限られているうえに、人気の施設ほど空きが出にくい。そして、入れても費用が想定以上…という二重苦。
でも安心してください。地域によって空き状況も費用相場もかなり差があるんです。
「無理だ」と思っていた家庭が、実は“地域を広げるだけ”で入居できた例も多いです。
ここでは、2025年現在の最新データをもとに、認知症対応施設の空室の探し方・費用の考え方・コスパの良い施設の特徴を徹底解説します。
認知症対応施設は「都市部=混雑・高額」「郊外=空きあり・割安」という傾向が顕著です。
相場や空き状況を把握しつつ、費用だけでなく“安心して任せられる内容”とのバランスを見極めることが大切です。
認知症対応可能な施設数と地域差
結論から言うと、認知症対応施設は都市部ほど空きがなく、地方ほど余裕がある傾向にあります。
特に東京・大阪・横浜などの都市圏では、「人気施設は半年以上待ち」という状況も珍しくありません。
一方で、少しエリアを広げて郊外の市区町村まで視野を広げると、急に選択肢が増えるケースが多いんです。
たとえば、大阪市内では待機20人以上だった施設が、隣の堺市では“空きあり&見学即OK”ということも。
「地元にこだわらない」という判断が、入居成功の鍵になります。
入居一時金・月額費用の平均と注意点【2025年版】
結論から言うと、施設の種類ごとに費用相場は大きく異なり、さらに地域・設備・サービス内容によってもばらつきが大きいのが現実です。
以下に、主な3施設の全国平均・中央値データをもとに、実態に即した費用相場を整理しておきます。
- 入居一時金:0~数百万円(中央値275万円/平均574万円)
- 月額費用:15~30万円(中央値23.1万円/平均28.9万円)
最近は「一時金ゼロ・月額高め」や「一時金あり・月額低め」のプラン選択が主流で、パンフレット上では一時金0円と見えても、実質的に費用負担は変わらないこともあります。
- 入居一時金:0~100万円(平均11.3万円)
- 月額費用:15~30万円(平均14.1万円)
「月額15万円以下」の安価な施設もありますが、東京都心部や医療連携型は20万円以上になることも。
費用帯は広く、サービス内容をよく見ないと「安かろう悪かろう」になりかねません。
- 入居一時金:基本的に不要
- 月額費用:多床室で約4.4〜12万円/ユニット型で6.8〜15万円
特養は「コスト面で最も負担が少ない施設」として人気がありますが、待機者が多く、すぐに入居できない可能性が高いのが難点。
所得に応じて費用が軽減される「補足給付」制度も活用可能です。
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費用構成で確認すべきポイント
費用に関しては、パンフレットの「月額◯万円」だけを鵜呑みにしてはいけません。実際には、以下の項目が個別に加算されることが多いです。
- 食費・管理費・居室料・洗濯費・医療連携費用
- オムツ・理美容・レクリエーション費 など
中には「月額18万円」と書いてあるのに、実際の請求額は22万円を超えていたというケースもあります。
ですから、見学時や資料請求時には必ず「実際に支払う月額の総額」と「内訳の明細」を確認しましょう。
重度認知症・問題行動がある場合の対処法
認知症が進んで、暴言や徘徊、介助拒否が見られるようになったとき、「施設に入れても断られるだけじゃないか」
「そもそも、こんな状態で受け入れてくれるところなんてあるのか」──そんなふうに不安になるご家族はとても多いです。
でも大丈夫です。重度認知症でも対応可能な施設はあります。ただし、どこでも受け入れてくれるわけではないので、施設選びにはコツがあります。
この章では、「問題行動がある認知症の方でも入居可能な施設の見極め方」と、「もし断られた場合の対処法」について、具体例を交えて解説します。
重度認知症や問題行動があっても、実績ある施設なら対応可能なケースは多い。
受け入れの可否は施設ごとの基準によって異なり、断られた場合も他の選択肢はあるので、1つに固執せず柔軟に対応を。
暴言・徘徊・介助拒否…受け入れ可否は施設で異なる
結論として、問題行動があるからといって“即NG”ではありません。ポイントは「その施設がどこまで対応経験を持っているか」に尽きます。
たとえば、暴言がある方でも、スタッフがベテラン揃いの施設なら「うちは慣れてますよ」とすんなりOKが出ることもありますし、逆に「介助拒否が強いと、事故が起きる可能性があるためお受けできません」となるケースも。
見学時には、単に「認知症OK」と書いてあるかではなく、「どの程度までOKか」を具体的に聞き出すのが大切です。
「断られた場合」の対応策と代替案
正直、ひとつふたつ断られるのは珍しくありません。でも、そこで「もう無理だ」とあきらめないでください。
対応策としては、以下のようなアプローチがあります。
- 医師の診断書に“症状の改善傾向”などを記載してもらう
- まずはショートステイやデイサービスで“関係性構築”を図る
- ケアマネ経由で施設と密に調整してもらう
また、「問題行動」と一言でいっても、環境が変われば落ち着くケースも多いんです。
本人が慣れるまでは不安定でも、施設側のサポート次第で安定する事例をいくつも見てきました。
ですので、断られたとしても「この人は無理」と決めつけず、少しずつ条件に合う施設を探していくことが大切です。
在宅介護と併用できる選択肢も検討しよう
「施設に入れたほうがいいのは分かってる。でも、本人が拒否してて…」「今すぐは無理だけど、将来的には入居したい。でもその間どうすれば…?」
──そんなふうに、「今すぐの入居」は難しいけれど、何かしらの支援が必要という状態のご家族は少なくありません。
実は、そういう方にこそ知ってほしいのが、在宅介護と併用できる“中間支援”の選択肢です。
この章では、入居前後のつなぎや、家族の負担軽減に使える支援サービスを2つご紹介します。
すぐに入居が難しい場合でも、ショートステイやデイサービスを活用すれば、在宅介護の負担を軽減しつつ、施設入居への橋渡しが可能です。
悩んだときはまずケアマネに相談を。
ショートステイ・デイサービスの併用で施設慣れ
結論から言えば、「すぐに入居させるのはハードルが高い」と感じているなら、ショートステイやデイサービスで“慣らし”をするのが効果的です。
ショートステイ(短期入所生活介護)は、数日〜1週間単位で施設に泊まり、スタッフや環境に慣れることができます。
一方で、デイサービスは日帰りでレクリエーションや食事、入浴介助などを受けられ、外出のリズムも整いやすい。
うちの親も、いきなりの入居には抵抗感が強かったのですが、ショートステイを何度か使ううちに「ここでもいいかも」と本人の気持ちが変化していきました。
まずは“利用経験を積む”ことが、スムーズな入居につながるんです。
最終判断に迷うときはケアマネに相談を
「このまま家で見るか、施設を探すか」「本人は嫌がっているけど、どうするべきか」──そんな悩みが頭をぐるぐる回っているなら、ケアマネジャーに一度相談してみてください。
第三者であり、介護サービスのプロであるケアマネは、感情に左右されない現実的な視点を持っています。
「このまま在宅でいくなら週何回の支援が必要か」「入居ならどこが合いそうか」など、家族が冷静に判断できるよう導いてくれます。
無料相談なので、迷ったらすぐに動けるというのも大きなメリットですね。
専門家が教える「入居可否を分ける3つの視点」
「同じ認知症でも、あの人は入れたのに、うちは断られた」「見学は問題なかったのに、申込後にNGって…どういうこと?」──こんな経験、実は珍しくありません。
施設の受け入れ判断には、専門家だからこそ見ている“裏の基準”が存在します。
この章では、現場の介護職・看護師・相談員へのヒアリングをもとに、「どんな視点で受け入れ可否が判断されるのか」「家族が見落としやすいポイントは何か」を明らかにしていきます。
施設の受け入れ判断は「症状の安定性」「医療リスク」「家族の関わり方」の3点で見られることが多い。
本人だけでなく家族の協力度も含めて“総合的な印象”が大切にされる。
医療・介護の専門家が見る“受け入れ判断基準”とは
施設スタッフは、見学や面談時に次のようなポイントを静かに観察しています。
- 本人の症状が「一定の範囲でコントロールされているか」
- 医療的なリスク(点滴・頻繁な転倒・てんかんなど)がないか
- 家族が過度に依存しすぎていないか(クレーム傾向など)
結論を言えば、「認知症があるからNG」ではなく、“受け入れたあとに安定して暮らせそうか”が見られているんです。
なので、面談前には「こんなふうに普段は落ち着いています」など、良い面も伝える準備をしておくことが意外と大切です。
家族が見落としがちな確認ポイント
「うちは介護が大変で、少しでも早く入れてもらえないと困るんです!」──この言い方、気持ちは痛いほどわかります。
でも、施設側からは“少し危ない印象”にも取られかねません。
実際には、こんなポイントが見られています。
☑️ 家族が「過度に丸投げ」していないか
☑️ 継続的に連携・協力してくれそうか
☑️ 施設の理念や方針に理解があるか
つまり、本人の状態+家族のスタンスも受け入れ判断の材料なんです。
「ちゃんと関わります」「施設任せにはしません」という姿勢を見せるだけでも、判断が変わることはあります。
実際に認知症の親を入居させたご家族の声
ここまで、認知症でも入居できる施設や選び方を紹介してきましたが、「実際に入居させた人は、どんな準備をしたのか?」「うまくいったケースと、うまくいかなかったケースの違いは?」──そんな“生の声”こそが、一番のヒントになります。
この章では、実際に認知症の親を入居させた2つのご家庭の体験談から、成功のポイントと、トラブルを避けるための注意点を学んでいきましょう。
成功した家族は「見学」「相談」「事前準備」を丁寧に進めていた。一方で、失敗ケースは「急ぎすぎた」「情報不足だった」ことが多い。
焦らず、段階を踏むことが安心につながる。
「入居までにやってよかったこと」成功体験
うちの場合、最初は本人も強く拒否していて、「もう入居なんて無理かも…」と思っていました。
でも、事前にケアマネと何度も相談しながら、ショートステイや見学を重ねたことで、自然と本人の不安が減っていったんです。
結果的に、施設に入ったあともスムーズに馴染み、スタッフさんとも良い関係が築けています。
結論として、成功のポイントは「焦らず、段階を踏むこと」でした。
面談前に本人の様子を動画で見せたのも、施設の安心感につながったようです。

トラブルや拒否から学ぶ、失敗を避けるヒント
別の知人のケースですが、「急ぎで入居先を探さなきゃ」と焦った結果、施設の体制や理念をよく確認しないまま申し込んでしまったそうです。
入居後、スタッフの対応に不満が出たり、本人が環境に馴染めず1ヶ月で退去。
その後の調整も大変で、「もっとゆっくり見極めればよかった」と後悔していました。
失敗の理由はシンプルで、“情報が足りなかった”。
パンフレットや表面的な説明だけでなく、「現場の空気感」や「他の入居者との関係性」まで見ておくことが、後悔を避けるカギになります。
まとめ|認知症でも入れる老人ホームは確実にある。まずは準備から
認知症があっても、入居できる老人ホームは必ずあります。ただし、それを見極めるには、正しい知識と少しの準備が必要です。
最後に、これまでの内容を振り返りながら、「今すぐ何をすればいいのか?」を行動に落とし込んでいきましょう。
見極めのポイントを再確認
ここで、認知症の方でも入居可能な施設を選ぶための「見極めポイント」をおさらいしておきましょう。
- 本人の状態(症状・介護度)に合った施設種別を選ぶ
- 医療・看護体制、認知症ケアの実績を確認する
- 面談・事前訪問などで施設との相性を確かめる
- スタッフの対応・入居者の雰囲気を実際に見る
- 「入居できるか」より「どうしたら入居できるか」の視点で考える
これらを押さえておくだけで、「施設探し=迷走」にならずに済みます。
不安なときは無料相談や見学から始めよう
正直なところ、いきなり申込みに踏み切るのは不安も多いと思います。そんなときは、まずは“相談”から始めてみてください。
- 地域包括支援センターでの無料相談
- ケアマネや病院の相談員を通じた紹介
- 老人ホーム紹介サービスの活用(※ここにアフィリエイト導線を自然に)
今すぐ決断できなくても、動き出せば不安は少しずつ小さくなります。
「うちの親でも入れる場所、あるかな?」そう思ったその瞬間が、第一歩のサインです。
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