親に合った介護施設を選ぶには、「要介護度」「医療ニーズ」「認知症の有無」の3つを確認するだけでOK。
- 要介護3以上なら → 特別養護老人ホーム(特養)
- リハビリや短期利用を重視するなら → 介護老人保健施設(老健)
- 認知症があり少人数ケアを望むなら → グループホーム
- 元気なうちに備えたいなら → サ高住 or 住宅型有料老人ホーム
3つの条件に沿って施設の特徴を照らし合わせれば、親に合う選択肢が自然と見えてきます。

「親の介護施設、どうやって選べばいいの…?」そんな不安や迷いは、“種類の違い”を理解することから始まります。
施設には、「入居条件」「費用」「提供サービス」が大きく異なるものが9種類以上あります。
にもかかわらず、「なんとなくのイメージ」で決めてしまい、あとで後悔するご家族が本当に多いんです。
そこで本記事では、介護施設の種類と違いを比較しながら、「親にとってどこが最適か」をやさしく整理。
診断チャート・費用比較表・見学時の注意点などもまとめてご紹介していきます。
介護施設の種類は大きく分けて9つ!全体像を整理しよう
介護施設は、大きく「公的施設(4種)」と「民間施設(5種)」の2つに分かれます。
公的施設は費用が安く人気だが入居条件が厳しく、民間施設は自由度が高い反面、費用は割高。
この分類をまず押さえておけば、「どこがうちの親に合っているか?」がスムーズに判断できます。

介護施設を選ぶうえで、最初に知っておくべきなのは「種類の全体像」です。
なぜなら、施設ごとに入居できる条件や費用、提供されるサービスがまったく違うから。
「特養が安いから…」という理由だけで選んで、
▶️ 実は要介護3以上じゃないと入れなかった…
▶️ 申し込んだら数年待ちだった…
なんて後悔、めちゃくちゃ多いんです。
公的施設と民間施設の違いとは?
分類 | 施設の特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
公的施設(自治体運営) | 特養/老健/介護医療院/ケアハウス | 月額費用が安め/安心感 | 入居条件が厳しい/空きが少ない |
民間施設(企業・法人運営) | 有料老人ホーム/サ高住/グループホームなど | 自由度が高い/バリアフリー設備 | 費用が高め/サービス内容にバラつき |
🔹公的施設(4種)
- 特別養護老人ホーム(特養):要介護3以上/安価/長期入居
- 介護老人保健施設(老健):リハビリ・短期/在宅復帰支援
- 介護医療院:医療ケアが必要な人向け/看護体制充実
- 軽費老人ホーム(ケアハウス):低所得・自立または軽介護者向け
🔹民間施設(5種)
- 介護付き有料老人ホーム:24時間介護あり/手厚いケア
- 住宅型有料老人ホーム:介護は外部サービス/自由度高
- 健康型有料老人ホーム:介護不要な高齢者専用/退去条件あり
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):安否確認・バリアフリー
- グループホーム:認知症専用/少人数/家庭的な環境
親の状態に合わせた施設分類の考え方
施設の種類を調べる前に、「要介護度は?」「認知症は?」「医療ニーズは?」の3つを把握しておくと、選ぶべき施設の方向性がグッと明確になります。
この記事ではこのあと、それぞれの状態に合った施設を診断できる構成にしています。
だからまずは、あなたの親の「状態のラベル」を意識して読んでみてくださいね!
介護施設9種類の分類と特徴一覧
分類 | 施設名 | 概要説明 |
---|---|---|
公的施設 | 特養/老健/介護医療院/ケアハウス | 国や自治体による運営。費用は比較的安い |
民間施設 | 介護付き/住宅型/健康型/サ高住/GH | 民間企業運営。自由度やサービスに幅あり |

※各施設の詳細は、後述でくわしく解説!
親に合った施設がすぐわかる!タイプ別診断チャート
「どんな施設があるかは分かった。でも──結局、うちの親にはどれが合ってるの?」
これは99%の人がぶつかる大きな壁。種類を知っても、“選べるかどうか”は別問題。

だからここでは、以下の3つの視点で親の状態を仕分けして、「その状態に合う施設が一発で見える」ようにしています!
要介護度別:おすすめ施設の目安
要介護レベル | 向いている施設例 |
---|---|
要支援〜軽度 | サ高住/住宅型有料老人ホーム |
要介護1〜2 | 老健/グループホーム(認知症) |
要介護3以上 | 特養/介護付き有料老人ホーム/介護医療院 |
医療ニーズ別:施設の選び方
医療的ケアの必要性 | 向いている施設例 |
---|---|
ほぼ不要 | サ高住/健康型/グループホーム |
服薬・糖尿病程度 | 介護付き有料老人ホーム/老健 |
点滴・胃ろう・吸引など | 介護医療院/医療対応型施設 |
認知症の有無で変わる施設選び
認知症レベル | 向いている施設例 |
---|---|
なし or 初期 | サ高住/住宅型有料老人ホーム |
中期〜重度 | グループホーム/特養/介護医療院 |
親の状態別で選ぶ!おすすめの介護施設早見表
状態の例 | 向いている施設(代表例) |
---|---|
まだ元気、自立だけど不安あり | サ高住、健康型 |
要介護1〜2、医療ケアなし | 住宅型・グループホーム |
要介護3以上、認知症あり | 特養・介護付き有料 |
医療処置が必要、在宅限界 | 老健・介護医療院 |
親に合った介護施設がすぐわかる!タイプ診断チャート
Q1:要介護認定は受けていますか?
└ No → サ高住・健康型へ
└ Yes → Q2へ進む
Q2:医療的ケアが必要ですか?(吸引・点滴など)
└ No → Q3へ進む
└ Yes → 介護医療院・老健
Q3:認知症は進行していますか?
└ No → 有料老人ホーム(住宅型・介護付)
└ Yes → グループホーム or 特養
「じゃあ、各施設って具体的にどんな特徴があるの?」次では、特養・老健・サ高住など9種類の施設それぞれについて詳しく比較していきます!
施設別に特徴・サービス・費用・入居条件を比較!
施設を選ぶときに比較すべきポイントは「介護体制」「医療対応」「費用」「入居条件」の4つです。
ここでは9施設すべてを同じフォーマットで比較できるように整理しています。
特別養護老人ホーム(特養)
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 公的施設。介護度が高い人向けで、長期入居が前提。生活支援中心。 |
費用目安 | 月額 8〜13万円(収入・地域による) |
入居条件 | 原則 要介護3以上/待機期間が数ヶ月〜数年になることも |
向いている人 | 身体介護が重く、自宅での生活が困難な方 |
介護老人保健施設(老健)
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 医療+リハビリ特化。自宅復帰を目指す短中期施設。 |
費用目安 | 月額 8〜12万円 |
入居条件 | 要介護1以上/病状安定/原則「退所前提」 |
向いている人 | 退院後の回復期間を過ごしたい/在宅復帰を考えている方 |
介護医療院
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 医療対応が必要な人向けの長期療養施設。看護師常駐・看取り可。 |
費用目安 | 月額 9〜14万円 |
入居条件 | 要介護1以上/胃ろう・吸引などの医療的処置が必要な方 |
向いている人 | 医療依存度が高く、病院以外での生活を希望する方 |
軽費老人ホーム(ケアハウス)
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 公的施設。自立〜軽度介護向け。食事・生活支援あり。 |
費用目安 | 月額 6〜10万円 |
入居条件 | 60歳以上/原則自立または要支援/収入要件あり |
向いている人 | 費用を抑えたい/一人暮らしが不安になってきた方 |
介護付き有料老人ホーム
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 民間運営。24時間介護職員常駐でサービスが手厚い。 |
費用目安 | 月額 15〜30万円+入居一時金がかかる場合も |
入居条件 | 要介護1以上(施設により異なる) |
向いている人 | 家族が近くにいない/安心して介護を受けたい方 |
住宅型有料老人ホーム
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 民間運営。生活支援あり。介護は外部サービスで個別契約。 |
費用目安 | 月額 10〜20万円 |
入居条件 | 自立〜要介護まで(施設による) |
向いている人 | 自由に暮らしたい/自分に合ったサービスを選びたい方 |
健康型有料老人ホーム
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 民間運営。自立高齢者向け。介護が必要になると退去の場合あり。 |
費用目安 | 月額 15〜30万円 |
入居条件 | 原則、自立している60歳以上の方 |
向いている人 | 元気なうちに移り住みたい/安心できる環境を早めに整えたい方 |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 民間+行政支援。バリアフリー+生活支援+安否確認がセット。 |
費用目安 | 月額 10〜15万円 |
入居条件 | 60歳以上/自立〜要介護までOK(重度は施設による) |
向いている人 | 安心・安全な環境で自由に暮らしたい方 |
グループホーム
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 少人数で家庭的な環境。認知症対応に特化。 |
費用目安 | 月額 12〜15万円 |
入居条件 | 要支援2以上+認知症の診断/地域密着(施設のある市町村に住民票) |
向いている人 | 認知症でも穏やかに暮らしたい/家庭的な空間を求める方 |
どの施設が親に合っているか、少し見えてきましたか?

次は、実際にどのように選んでいくか=診断チャートやステップ形式で選ぶ方法をお伝えしていきます!
後悔しない施設選びの5ステップ
STEP1:親の現在の状態を把握する
└ 要介護度・認知症・医療ニーズなど、状態を明確にしておく
STEP2:予算と希望エリアを明確にする
└ 入居金・月額費用・通いやすさなど条件整理
STEP3:施設種別ごとの候補を3つに絞る
└ 特養/サ高住/有料老人ホームなど、自分の条件に合う種類を選定
STEP4:資料請求 or 見学予約をする
└ ネット情報だけで判断せず、実際に現地チェックする
STEP5:家族で話し合い、最終決定する
└ 親本人の意志+家族の現実をすり合わせて決定
STEP1:親の現在の状態を把握する
- 要介護認定を受けているか?
- 認知症の有無と進行度は?
- 医療的なケアがどの程度必要か?
- 日常生活のどこに困っているか?

「まだ大丈夫」と思っていても、実際に観察してみると困ってることは多いよ。
STEP2:予算と希望エリアを明確にする
- 入居金・月額費用の目安を調べておく(老後資金の把握)
- 家族の通いやすさ・実家からの距離なども考慮
- 公的施設(特養・老健)は費用は安いけど、待機が長いことも



費用の話をあとに回すと、「いい施設ほど予算オーバー」問題に直面しがちなのでご注意を!
STEP3:施設種別ごとの候補を3つに絞る
- 要介護度・医療・認知症の3軸をもとに施設を決める
- 「9種類の中から自分の条件に合う3つ」に絞り込む
- 住宅型とサ高住で迷うなら“ケアの主体”がどこかで比較!



「全部を比べよう」とすると絶対に迷子になるよ〜
STEP4:資料請求 or 見学予約をする
- 気になる施設は必ず見学か資料取り寄せ
- ケアマネや市役所の介護窓口に相談も有効
- 他の入居者の様子やスタッフの対応を観察しよう



「見学なんて面倒…」と思っている方こそ、“想像と全然違った”ケースが多いんだよね。
STEP5:家族で話し合い、決定する
- 親本人の意思確認(納得してないとトラブルの元!)
- 家族の意見も尊重しながら、事実ベースで判断
- 見学の感想・費用・条件などをリスト化して比較



私の感覚ですが「みんなが7割納得できてる」くらいがちょうどいいよ。
施設選びの5ステップ早見表
ステップ | 内容 | ポイント |
---|---|---|
STEP1 | 親の状態を把握 | 要介護度・認知症・医療の3軸 |
STEP2 | 予算と希望エリアの確認 | 月額×距離で現実的選択を |
STEP3 | 施設種別で候補を絞る | 3つに絞れば迷わない |
STEP4 | 見学・資料請求で現場確認 | ネットと現実は違う! |
STEP5 | 家族で話し合って決定 | 感情と情報のバランスが大事 |
施設選びでよくある質問と注意点
多くの人が、施設選びで同じように悩み・迷います。でも、よくある5つの疑問を知っておけば、ほとんどの不安はあらかじめ解決できるんです◎
「後から知ってショックだった…」という後悔を防ぐためにも、ここでしっかり押さえていきましょう!
Q:入居金が高い施設は、それだけサービスが良いってこと?
A:一概には言えません。入居金の高さ=サービスの質ではありません!
入居一時金が数百万円かかる施設もありますが、それは主に以下のような理由によるものです。
- 「終身入居型」など長期契約前提であるため
- 土地や建物の立地・内装・共有スペースが豪華だから
- 施設が初期投資を回収するビジネスモデルを採用しているから
つまり、サービスの手厚さや介護体制は「費用」だけでは判断できないのです。実際、入居金ゼロでも24時間介護や医療対応がある施設も多数あります。
➤ 判断の基準は「親の状態に本当に合っているかどうか」
価格はあくまで“選定条件の一つ”であり、“質の保証”ではありません!
Q:介護施設って、実際に見学に行く必要あるの?
A:絶対に行った方がいいです。ネットやパンフだけでは“本当の雰囲気”は分かりません!
ネットや資料では、どの施設もキレイで良さそうに見えますよね。でも、実際に見学して分かることはたくさんあります。
- スタッフの対応や雰囲気(声かけ、表情、挨拶の有無)
- 入居者の様子(寝たきり?活気がある?)
- 施設の臭いや生活空間の清潔感
- 食事の内容や居室の広さ
さらに「見学を受け入れる姿勢」も、
➤ その施設が“オープンで誠実かどうか”の判断材料になります。
私がよく聞く話ですが、「写真と現場のギャップが大きすぎた…」って話、ゴロゴロあるんですよね。
➤ だから、最低でも1〜2施設は必ず見学 or 動画見学するのが鉄則!
Q:認知症の親にはグループホームが一番合ってるの?
A:軽度〜中等度の認知症なら◎!でも進行度や介護度によっては別の選択肢も必要です。
グループホームは、家庭的な少人数ケア+認知症に特化していて、認知症の方にとって安心感があり、なじみやすい空間です。
ただし、注意点がいくつかあります。
- 入居できるのは「要支援2以上」かつ「認知症診断がある方」
- 医療行為が必要な場合(胃ろう、吸引など)は基本NG
- 重度認知症で常時介護が必要な場合は対応が難しい施設も
➤ 認知症の進行度・身体状態によっては、
「特別養護老人ホーム」や「介護医療院」のほうが安心なケースもあります。グループホームを希望していたけど、医療依存が強くて老健に変更したケースはよくあります。
Q:施設選びって、ケアマネやかかりつけ医の意見をどこまで信じるべき?
A:聞くべきです!でも「鵜呑み」ではなく、あくまで“判断材料のひとつ”にしましょう。
ケアマネや医師は、
- 親の身体状況や性格をよく知っていて
- 現実的なアドバイスをしてくれることが多いです。
だからこそ、施設選びでも頼れる存在。
➤ 特に「老健や医療系施設に向いているか」などの判断には有益。
ただし…ここが超重要なんですが、
・担当ケアマネが“紹介料ありき”で施設を勧めてくるケースもある
・医師が“医療的判断”だけで施設選びを勧めることもある
➤ 大切なのは「親本人と家族の希望・現実」と照らし合わせること!
情報はありがたくもらいつつ、最終判断はあなたの手で!
Q:親が「施設なんてまだ早い」と拒否してきます。どうしたら納得してくれる?
A:無理に説得せず、「選択肢だけでも見ておこう」と提案してみましょう。
ほとんどの親世代は、「施設=最終手段」「自分はまだ平気」って思ってるもの。でも、実際にはこうしたケースもよくあります。
- 転倒や病気で突然入院 → 退院先が見つからずパニック
- 家族が限界で、急遽探さざるを得なくなる
だからこそ、今のうちに、
➤ “いつかのための備え”として候補を見ておくだけでも価値があります。
「今すぐ入るわけじゃないよ?でも“いざ”ってとき困らないように、ちょっとだけ見てみようよ」こう言えば、親も「拒否じゃなく確認」として受け入れやすいですよ。
さらに施設のパンフや写真を一緒に見ながら、「こういう雰囲気なら暮らしやすそうだね」って感想共有するのもおすすめです。
まとめ|施設選びで一番大切なのは“情報の整理”
「調べれば調べるほど、何がいいか分からなくなってきた…」そう感じたら、それは情報不足ではなく、“情報が整理できてないだけ”です。
親に合った施設を選ぶには、
✅「親の状態」を軸にし
✅「自分の条件」を明確にし
✅「施設の種類」を絞り込む
たったこれだけで、もう“迷子状態”から抜け出せます。
優先度 | やること | 理由と効果 |
---|---|---|
★★★ | 親の状態(介護度・認知症・医療)をメモする | 適した施設を絞る第一歩になる |
★★★ | 気になる施設タイプを3つに絞る | 比較疲れを防ぎ、判断スピードが上がる |
★ | 1施設だけでいいから、見学予約か資料請求をする | 実際の雰囲気を見るだけで「ここなら安心」がわかる |
私も「施設選びなんて、まだ早いよね?」って思ってた時期がありました。でも実際には、準備しておく人ほど後悔しないって、身をもって体験したんですよね。
施設は“終わり”じゃなくて、親が安心して暮らすための、もう一つの選択肢だってこと。そう気づいてから、施設選びに迷わなくなりました。
だからあなたも、今日という日にちょっとだけ動いてみてください。
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