「有料老人ホームって、種類がいくつかあるらしいけど違いがよくわからない」そんな方のために、この記事では3つのタイプの違いをわかりやすく整理しました。
介護が必要な人、自立して暮らせる人、どちらに向いているかで選ぶべき施設は変わってきます。
私自身も、親の入居を検討する中で混乱した経験がありますが、仕組みを知ることで納得できる選択ができました。
この記事を読めば、「うちにはこのタイプが合っている」と判断できるはずです。
- 要介護なら「介護付き」:施設内で介護サービスが完結し、安心して任せられる
- 自立した生活を続けたいなら「住宅型」:外部サービスを利用しながら自由に暮らせる
- 元気なうちに入居したいなら「健康型」:介護不要のアクティブシニア向け
▶ 選ぶべき施設は、本人の介護度・生活スタイル・将来設計で変わります。
迷ったときは、「今」と「これから」の暮らしに合うかどうかで考えるのがポイントです。
有料老人ホームには3つのタイプがある
有料老人ホームとひとことで言っても、実は大きく分けて3つの種類があるのをご存じですか?
それぞれのタイプによって、受けられるサービスも、入居できる人の条件も違ってきます。
「どれを選んでも大差ないでしょ?」と考えていると、入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも。
ここでは、まず最初にその3つのタイプをわかりやすく整理し、違いを丁寧に解説します。

- 有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類がある
- それぞれの違いは、提供されるサービスの内容や入居対象者にある
- 介護が必要な人に向いているのは「介護付き」、自立している人は「住宅型・健康型」
- 間違った選び方をすると、あとから後悔することもある
介護付き有料老人ホームとは?
「介護付き有料老人ホーム」は、介護が必要な方向けに、介護サービスを施設内で完結できる体制が整った施設です。
介護付き有料老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、施設内に介護スタッフが常駐しているのが大きな特徴。
食事・入浴・排泄などの日常的な介助から健康管理まで、包括的なケアが受けられます。
私の母が要介護2と認定された際、しばらく老健に入所していたことがあります。医師や介護スタッフが常にいてくれる環境は、家族としても本当に心強く感じました。
ただ、老健はリハビリ重視で長期入所が難しいため、「もし今後もっと手厚い介護が必要になったら、介護付き有料老人ホームも選択肢になる」と感じたのを覚えています。
つまり、「これから介護が本格的に必要になる人」や、「家族だけではケアが難しいケース」では、介護付き有料老人ホームがもっとも安心できる選択肢になるでしょう。
住宅型有料老人ホームとは?
住宅型有料老人ホームは、自立した生活を基本としつつ、必要に応じて外部の介護サービスを利用するタイプの施設です。
住宅型は介護付きとは異なり、施設そのものが「介護サービスの提供」を担っていません。
その代わり、入居者は訪問介護やデイサービスなどを個別契約で使うスタイルになります。
言い換えれば、“自宅のような暮らし”を続けながら、必要な支援を組み合わせていくイメージです。
実際、私の母が老健に入所する前、住宅型を検討したことがありました。
当時はまだ介護度が軽く、本人も「自分のペースで暮らしたい」と望んでいたため、住宅型の自由さにはかなり惹かれました。
ただ、介護度が上がるとサービスの調整が煩雑になりそうで、結果的には見送りました。
このように、住宅型有料老人ホームは「まだ自立できるけど、一人暮らしはちょっと不安」「必要なサポートだけ受けたい」といった方にとって、自由度と安心感を両立できる選択肢といえます。
健康型有料老人ホームとは?
健康型有料老人ホームは、元気なうちに入居して、自立した生活を楽しむための施設です。
このタイプの特徴は、「介護が不要な自立した高齢者」が対象であること。
日々の生活支援(食事の提供や掃除など)はあるものの、介護サービスは原則として提供されません。
介護が必要になった場合は、退去や別施設への転居が前提になります。
私の母も元気なころ、「いずれはこういうところに入って、趣味でも楽しめたらいいね」と話していたことがあります。
実際、健康型の施設では、カルチャー教室や運動プログラムなど、生活を豊かにするアクティビティが充実しているのも魅力。
まさに“第二の人生を楽しむ場所”という感じでした。
ただし、将来的に介護が必要になったときには対応できないため、「今が元気であること」が入居の大前提です。
つまり健康型は、「介護はまだ不要。でも、安心して暮らせる場所で趣味や交流も楽しみたい」――そんなアクティブシニアのための選択肢といえるでしょう。
それぞれのメリット・デメリット
結論から言えば、どのタイプにも一長一短があり、「誰にとって最適か」はケースバイケースです。
たとえば、介護付きは介護体制が整っていて安心ですが、費用はやや高めになりがちです。
一方、住宅型は自由度が高く、外部サービスを選べる柔軟さがありますが、契約や手配が自己責任になるため、家族の負担が増える可能性も。
健康型は、元気なうちは快適で理想的な環境と言えますが、介護が必要になったら退去が前提なので、先々のことを考えると慎重な判断が求められます。

比較表
タイプ | 向いている人 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|---|
介護付き | 要介護の方 | 施設内で介護完結、スタッフ常駐 | 費用が高め、自由度は低い |
住宅型 | 自立〜軽度介護 | 自由度が高い、外部サービス選択可 | 契約手続きや調整が煩雑 |
健康型 | 元気な高齢者 | アクティビティ豊富、自立生活 | 介護が必要になると退去 |
つまり、自分や家族の状態をふまえて「今はどの段階か?」「どこまで自分でできるか?」をしっかり見極めることが、後悔しない施設選びにつながるのです。
どの種類が自分の家族に合う?選び方のポイント
「今できていること」と「今後どうなりそうか」を基準に選ぶのが、一番納得のいく施設選びになります。
というのも、私の母は要介護2と診断されたものの、当初は軽度の支援だけで十分でした。
だからこそ住宅型や健康型も候補に入れつつ、介護が重くなったときのことも考えて老健を選びました。
将来的には介護付き有料老人ホームへの移行も視野に入れています。
たとえば、今は元気で趣味を楽しんでいる方なら、健康型が合うかもしれません。
でも、「一人ではちょっと不安」「家族のサポートが限界」という場合は、介護付きや住宅型のほうが安心できる選択肢になります。
また、費用や地域性、家族の関わり方なども見落とせません。「いざというとき、誰がどこまで対応できるか?」――ここも重要なポイントです。
つまり、「今の状態だけでなく、“これから”の生活とサポート体制をどう描くか」。それによって、選ぶべき施設は自然と絞られてくるのです。

まとめ|有料老人ホームの種類を知って後悔しない選択を
有料老人ホーム選びで大切なのは「種類の違いを知ったうえで、自分の家族に合った選択をすること」です。
どれが良い・悪いではなく、それぞれに向いている人とタイミングがある。
私は母の介護を通じて、「早めに違いを理解しておけば、もっと納得感のある判断ができたかもしれない」と痛感しました。
たとえば、元気なうちに入れる健康型。自由度の高い住宅型。手厚い介護が受けられる介護付き。
どれを選ぶにせよ、“いま”と“これから”の暮らしを丁寧に想像することが、後悔しない施設選びにつながるのだと実感しています。
迷う気持ちは自然なこと。でも、知識を持っておくだけで、見学のときの質問も深くなりますし、パンフレットの見方も変わってきます。
「ここなら安心して任せられる」――そんな一歩が踏み出せるよう、ぜひこのあと、気になる施設を調べてみてください。

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